今日は熊本地震から2年でしたね。
僕のふるさとは九州、熊本です。
幸いな事に、熊本に住む一人暮らしの母は無事でした。家もなんとかドアの立て付けが悪くなった程度で住みましたから、運が良かったと思います。
当時、本震の後に母と朝まで連絡が取れなくなりました。電話のアンテナが山崩れで損壊したのが原因です。
心配でたまりませんでした。
東日本大震災を東京で経験した僕ですが、その後まさか田舎の母が避難所で寝泊まりをすることになるなんて思ってもいませんでした。
普段からの備えの大事さを痛感しましたね。
先日、こんなことがありました。
クルマで走行中、交通事故の現場に遭遇したのです。
我々のクルマには男性4名。持ち主で運転手のOさん、助手席に僕。後部座席にはBさんとKさん。
赤信号で交差点に差し掛かった時、運転手のOさんが道路の真ん中で横たわっている女性に気付いたのです。
「事故だ!どうしよう、クルマ降りるべきかな?行こう!」
クルマを寄せて、我々は被害者のもとへ駆けつけました。
被害者は自転車の女性。事故の直後らしく、パトカーも救急車もいません。加害者と見られる女性が倒れた女性にしきりに声をかけています。
すでに男性がひとり、発煙筒を焚いていました。その男性に聞くと、たった今救急車を呼んだところだそうでした。
片側2車線の大きな幹線道路で、夜の12時ごろとはいえ交通量もけっこう多い。僕らのクルマの運転手のOさんは自分のクルマの発煙筒を持って走っていき、僕とBさんは被害女性の自転車を起こして歩道まで運びました。
そして被害女性を安全な場所に運ぼうとしましたが、頭から出血していたのであまり動かさない方が良いかもしれないという事になり、救急車を待つ事に。
声はかけますが完全に気を失っているらしく反応はありません。
Oさんは動転している加害女性に声をかけ、落ち着かせようとしていました。
やがて救急車とパトカーが到着し、消防の方に事情を説明する事が出来ました。あとはお任せするだけなので、僕らもほっとしてクルマに戻ろうと歩き出したその時。
気付いたのです。クルマにKさんが乗っていることに。
そう、彼は降りてこなかったのです。僕とOさん、Bさんの3人が事故の処理を手伝っているのを、彼はクルマのなかから見つめるのみだったのです。
僕はゾッとしました。あのKさんのこちらを見ている姿に。
クルマに乗り込みながら聞きました。「Kさん、なんで降りてこなかったの?」
彼は答えました。
「いや、みんなでぞろぞろ行っても無駄でしょ?」
とくに悪びれる様子もありませんでした。
ヒーローぶる訳ではありませんが、全く理解できない。
確かに僕らは医者でもなければ救急救命の心得があるわけでもないです。
しかし何かしら出来る事はないかと駆け寄るのが人情ではないかと思うのです。
結果的に手を出すこともなく、ただオロオロするだけだったとしても。
血を流して倒れている人がいたら、駆け寄るべきだと思うんです。
もちろんただの野次馬では困るでしょうし、救助の邪魔になってはいけません。それは理解できます。
今回の我々も、本当に必要だったかと言われればそんなこと僕には解りません。
が、もし僕が被害者だったら、大勢の人が駆けつけてくれるのはありがたいです。
もし加害者だったとしても、心強いのは同じです。
決して遠巻きに見ているだけで良いとは思わないでしょう。
その後、もうKさんと事故の話はする気になれず、なにも話していません。
どちらが正しいかなんて決める気もありません。
緊急時の行動は、どんなに用意していてもある程度パニックになると思います。
そんなときどうするのか。
僕は僕の良心に従って行動する。
それ以外には考えつきません。